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診療科・部門

大腸がんに対する腹腔鏡下手術

大腸とは?

大腸は解剖学的に大きく「結腸」と「直腸」に分かれています。
結腸はさらに「盲腸」「上行結腸」「横行結腸」「下行結腸」「S状結腸」に分かれます。

大腸がんの手術

大腸がんの手術では、がんのある大腸の部位を切除し、切除後は前後の大腸を縫合しつなぎ合わせます。
また、リンパ節に転移をしている可能性もあるため、大腸を切除するだけでなく、大腸がんの部位に応じた適切な範囲のリンパ節を予防的に取り去ります。

当院では、大学病院やがんセンターで経験を重ねた外科医も複数人常勤しているので、がんの進行度に応じた規定の範囲のリンパ節をしっかりと取り去り、これらの病院にも遜色ないクオリティの手術を心がけております。

また、大腸がんの手術治療には大きく分けて開腹手術と腹腔鏡手術があります。

腹腔鏡手術とは、カメラ(腹腔鏡)でお腹の中(腹腔内)をモニターに映し出して行う手術のことです。腹腔鏡でモニターに映された映像を見ながら、細長い鉗子(かんし)などを用いて手術を行います。
腹腔鏡手術の特徴として、①キズが小さくきれい②術後の腸の動き出しの回復が早い③カメラで映し出した拡大した視野で手術ができる(このため繊細で出血が少ない手術が可能)などの長所があり、患者さんの体にやさしい手術です。

当院では腹腔鏡手術を積極的に導入しており、2018年4月から2019年4月までの大腸がん手術症例の約75%は腹腔鏡手術を行っております。また当院では学会が定めた内視鏡技術認定医が2人常勤しており、安全に腹腔鏡手術を行っております。

直腸がんの手術

直腸は大腸の中で最も肛門に近い部分の腸管です。

直腸がんは、結腸がんと異なり、手術した骨盤の中に再発する局所再発が多いという特徴があります。
直腸がんの手術できちんとがんを取りきるには、がんから外側に1-2mm程度、離れた安全域をもって切除する必要があると言われており、この安全域がなく、がんを露出させて切除してしまうと局所再発率は高くなります。
ただし、骨盤の中は狭く、ぼうこう、子宮、前立腺などの臓器や排尿や性機能をつかさどる神経が集まっており、がんから不必要に遠ざかって切除するとこれらの機能が術後に損なわれてしまいます。直腸がんの手術は「がんの根治性」と「術後の機能温存」の両者を考えた手術をしなければいけません。

腹腔鏡の手術では、カメラで映し出された拡大した視野で、細かい神経をしっかりと視認することができます。当院では、直腸がん手術においても腹腔鏡手術を積極的に取り入れ、がんの取り残しなく、機能をできる限り温存した手術を心がけております。

また直腸がんでは、がんから肛門までの距離や進行度によっては肛門機能の温存ができず永久人工肛門となるかどうかが問題となることがあります。当院では、がん専門病院での経験を生かし、肛門に近い直腸がんであっても適応があれば永久的な人工肛門を回避し、可能な限り肛門を温存した手術を心がけております。

 

 

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