9月・10月の3日間、神奈川県支部主催の救護班要員教育訓練が実施されました。当院からは職員7名で構成された救護班が参加し、県内の赤十字施設と合同での訓練となりました。この訓練は、実践的な救護活動を通じて、日赤救護班としての知識・技術の向上を目的としています。
訓練では災害救護に関する講義や机上でのシミュレーションを踏まえ、最終日には災害発生を想定して実践的な救護活動を行いました。内容としては、トリアージ~治療までを行う多数傷病者受入訓練、避難所で暮らす被災者のニーズに対応していく避難所巡回訓練です。傷病者役として、赤十字ボランティアの方々に迫真的な演技をしていただいたことで、よりリアリティの溢れる訓練になりました。
それぞれの班で話し合いを重ねてから訓練に臨みましたが、実際に行ってみると混乱する状況下での情報統制や資機材の不足等、たくさんの課題が見えてきました。また、治療を行う診療所と生活を送っている避難所とでは、救護班に求められることが異なり、状況に応じてその役割を変化させていく必要性も感じました。
参加した職員からは、「チーム内や他救護班とのコミュニケーション、傷病者への声かけの大切さを感じた」「情報収集・記録に集中してしまったが、被災者の心情に配慮した行動を取れるようにしたい」等の感想があげられました。今後も日赤救護班は、訓練を重ねて模索し続け、力を高めていきます!
▲机上訓練の様子
▲トリアージの様子
令和5年10月15日(日)大雨の中、大井町のビオトピアで開催された「ビッグレスキューかながわ(神奈川県・大井町合同総合防災訓練)」に、当院から救護班1班が参加しました。
この訓練は医療関係機関を中心に、自衛隊や在日米軍と連携した実践的な訓練を通して、相互の連携強化を目的としています。
当日の朝行われたチームビルディングで、当院の救護班は赤エリアで活動することが決定。迅速な救命処置を必要とする傷病者に対して、医師や看護師、主事、ボランティアが協力して救護活動を行いました。
雨の中、限られたテント内で導線や衛生面等を確認しながら、傷病者への声掛けや保温に配慮する職員やボランティアの姿がありました。
参加者からは、「災害救護活動は、あらゆる天候や状況下での対応が求められることを改めて実感した。今回の訓練で得た経験を今後、院内全体で生かすために、何ができるか考えていきたい」等の感想がありました。
9月11日に院内で「EMIS操作、クロノロ(記録)」の勉強会を開催しました。
聞き慣れない言葉だと思いますので簡単に説明しますと、EMISとは被災地における人・モノ・情報のニーズに対応するため、医療や救護に関わる情報を集約したシステムのことです。またクロノロは、ホワイトボード等に時系列記録を残して情報共有することを指します。
災害時の混乱の中で、適切に支援を届けるために情報はとても大切です。情報共有のツールとしてEMISやクロノロは活用されています。
今回の勉強会では、救護班の主事として求められる基礎的な部分を学びました。参加した職員からは「いざという時に情報をしっかり伝えられるように覚えておきたい」等の感想がありました。
当院では、職員1人ひとりができることを増やし、災害時に対応ができるようこれからも訓練していきます。
▲クロノロの参考
▲勉強会の様子
秦野赤十字病院には、常備医療救護班が5班、DMATは2チーム組織されています。
災害が起きたとき、医療救護班やDMATチームが持参する医療資機材は、個数や使用期限など定期的に点検をして災害に備えています。
8月17日(木)に実施した点検では、8人の職員が参加。「点検は、実際に使用する医療資機材の種類やどこに入っているか等確認できる機会となっている。
災害が起きた時に迅速に活動するためにも、日頃の点検が大切です」等の感想がありました。
⇕ 点検の様子
令和5年7月21日(金)に日本赤十字社東京都支部で開催された「原子力災害対応基礎研修会」に、当院の職員7名が参加しました。
本研修は東日本大震災の時、福島第一原子力発電所の事故による救護活動を教訓に始まりました。当時の日赤救護班には放射線環境下での活動基準がなく、放射線に関する知識、放射線防護のための資機材なども乏しく、福島へ派遣された救護班が活動できず一時撤退した経緯があります。
そのため原子力災害に対する取り組みが必要とされ、平成27年3月に『原子力災害における救護活動ガイドライン』が策定されました。
本研修では、同ガイドラインに沿って放射線の基本的な知識を理解し、原子力災害時の日赤救護班の活動基準などを学びました。
参加した職員からは、『被災者は放射線という、見えない、聞こえない、臭わない、感じないものに不安や恐怖を感じていることを理解し、傾聴する姿勢で想いを受け止め、正しい情報を提供することで、少しでも不安や怖さを軽減できるようにしていきたい』『職員の安全を守るために、今回の研修で得た知識を周りの職員に伝えていきたい』などの感想がありました。
日本赤十字社では災害に対応できるように、日々様々な研修が行われ、知識と技術の向上を行っています。これからも訓練を行いながら、赤十字の責務である災害への対応に努めていきます。
▲グループワークでの様子
▲防護具の装着について学ぶ様子
秦野赤十字病院では、今年度から災害対策委員会による職員を対象にした災害救護研修を再開しています。第1回目の研修は、「災害医療総論」をテーマに7月11日(火)に開催しました。
講義では、秦野市で大規模災害が発生した際に、私たち職員一人ひとりがどのような活動を行う必要があるか、また、過去の大規模災害からどのような教訓を生かしていく必要があるか等、実際に災害派遣経験のある医師から説明を受け、学びを深めました。
いつどこで災害が起きてもおかしくない時代の中で、当院は災害拠点病院として地域に密着し、災害時に活動できるよう取り組んでいきます。
▲研修の様子
今年度の赤十字救護班主事基礎研修が、2日間の日程(6/16,7/13)で日本赤十字社神奈川県支部にて開催されました。県内の各赤十字施設から19名が参加し、当院から事務・コメディカルを含めた5名の職員が参加しました。
日赤の救護班とは、災害時に現地に派遣される、多職種〈医師・看護師・主事(事務)等〉で構成された医療チームのことです。救護班主事には「医療従事者が医療を円滑かつ効果的に実施できるよう行動する」ことが求められており、この研修では主事の基礎となる知識や技術を学びました。
研修の前半は、日赤の災害救護についての理解を深め、記録の取り方や無線訓練、テントや担架の扱い方等に関して学び、研修の後半では、災害が起きたと仮定して、チームで災害対策本部と救護班に分かれて実践的な練習を行いました。
2日間を終えて、参加した職員からは「コミュニケーションや記録、情報共有を大切にして被災地での診療が円滑に進むように支援していきたい」、「様々な工夫をして派遣される班員の負担を軽減したい」、「学んだことを赤十字職員として日常業務でも生かしていきたい」等の感想がありました。
この研修を基本として、今後も災害への知識や技術を向上させていきたいと思います。
▲ストレッチャーの取り扱いについて学ぶ様子
令和5年2月20日(月)神奈川県西部を震源とする震度6弱の大規模地震、および地震による火災発生の想定で、総合防災訓練を行いました。
訓練は(1)災害対策本部設置(2)災害時情報収集報告(3)消火・避難誘導を展開する内容で、地震発生から対策本部の初動対応や指揮命令系統の検証、職員の防火・防災意識の高揚に繋がることを目的としています。これからも訓練を行いながら、赤十字の責務である災害への対応に努めてまいります。
令和4年11月19日(土)に秦野赤十字病院をメイン会場として、関東1都6県及び山梨県、新潟県、静岡県における日本赤十字社の各支部が一堂に会し、神奈川県西部を震源とする最大震度7の地震災害の発生を想定した
「第2ブロック支部総合訓練」※1が実施されました。
参加機関は赤十字各支部の他、秦野市、県内各防災機関、赤十字ボランティア他総勢約500名を数え、当院からも救護班1班7名及び本部要員5名、訓練スタッフ11名が訓練に参加し、非常時の対応を改めて確認いたしました。市内唯一の災害拠点病院として、今後も研修や訓練に積極的に取り組んでまいります。
(※1静岡県は第3ブロックの所属ですが、隣県支部として参加しています)
当院を会場に、日本赤十字社第2ブロック支部総合訓練が開催されます
日本赤十字社神奈川県支部は、11月19日(土)~20日(日)、「日本赤十字社第2ブロック支部総合訓練」を実施します。
本訓練は、広域支援活動や関係機関と連携した活動の実施及び検証を目的に毎年開催され、今年度は神奈川県が当番県となっています。
19日(土)は、第2ブロック支部※1及び静岡県支部等の赤十字救護班(13班約100人)が当院に参集。秦野市のご協力のもと、市内6つの小中学校に開設された避難所でのアセスメントや巡回診療を行います。
当院からは救護班1班、日赤災害医療コーディネートチーム等が参加します。
翌20日(日)は、今後の災害救護活動に生かすため、オンラインによる検証会が予定されています。
なお、19日(土)は、当院の外来診療は休診日ですので、本訓練参加者以外は、正面玄関からの出入りはできませんので、何卒ご了承ください。
※1 第2ブロック支部:関東1都6県(茨城、栃木、群馬、埼玉、千葉、東京、神奈川)、新潟、山梨県
※本訓練に関する記者発表資料は、日本赤十字社神奈川県支部のホームページをご参照ください。
・大地震を想定して赤十字救護班が訓練を実施 - 秦野市内避難所への巡回診療で被災者ケアにあたります
令和元年9月5日(木)に台風15号が発生しました。9日5時前には千葉県千葉市付近に上陸し、茨城県水戸市付近で海上に出た台風は、福島県や宮城県を暴風・強風域に巻き込みながら東進しました。
この台風災害を受け、当院では令和元年9月16日(月)~9月18日(水)日本赤十字社神奈川県支部救護班として現地へ救護班を派遣いたしました。
医師 | 瀧沢 利一 | 第一腎臓内科部長 | 主事 | 山平 勝 | 薬剤師 |
看護師長 | 諸星 友子 | 看護師長 | 橋本 和美 | 事務職員 | |
看護師 | 山本 あゆみ | 看護係長 | 中井 厚至 | 事務職員 | |
八木 佳祐 | 看護師 | 山仲 輝 | 事務職員 |
06:00 秦野赤十字病院を出発
08:25 日本赤十字社千葉県支部到着 , 災害対策本部と打ち合わせ
11:30 安房地域医療センター到着
13:00 館山市役所到着
13:45 館山コミュニティーセンター到着 , 活動開始
18:00 全体ミーティング参加
20:00 本部ミーティング参加
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=出動式の様子 | =車2台で現地へ向かいます |
08:00 全体会議に参加
09:30 館山市内 避難所・病院での活動に向け出発
15:00 本部指示により、2隊に分かれて活動
08:00 全体ミーティングに参加 , 引継ぎ後、現地出発
12:55 秦野赤十字病院に到着
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=病院到着時の様子 |
平成28年4月14日(木)21時26分に熊本県を震源にM6.4の地震が発生しました。熊本県益城町では震度7の揺れを観測し、甚大な被害となりました。
この地震災害を受け、当院では平成28年4月28日(金)~30日(土)の3日間、日本赤十字社神奈川県支部救護班として現地へ救護班を派遣いたします。
医師 大林 由明 院長補佐 主事 竹内 政則 臨床工学係長
神 康之 第二外科部長 丹羽 雅 放射線課主任
看護師 緒方 清子 看護師長 関野 浩一 薬剤師
桑原 雅恵 看護係長 芦間 達弘(神奈川県支部職員)
林 和奈 看護師 秋山 高(帯同V無線救急奉仕団員)
8:45 熊本に向け出発
20:17 山口県宿泊先到着
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=出動式の様子 | =医療用物品や救護班員の食料などを積み込みます | =救急車、ドクターカーの2台で現地へ向かいます |
8:15 宿泊地を福岡空港に向け出発
12:24 福岡空港到着(空路班と合流のため)
17:18 熊本赤十字病院災害対策本部へ到着報告
9:20 現地災害対策本部に出席 「にしはら保育園」にて救護活動開始
13:49 午前中は巡回診療実施 患者数13名 午後はd-ERU班と巡回診療班に分かれ診療を行う
17:52 本日の救護活動終了、19時からの支部ミーティングに参加
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=災害対策本部の様子 | =巡回診療での様子 | =全国各地から赤十字救護班が集合しています |
9:35 川原小学校にて巡回診療実施
12:45 午前の巡回診療終了 午後も引き続き巡回診療を行う
薬剤師はd-ERU対応
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=巡回診療の様子 | =地震による影響で、道路が地割れしています | =益城町の隣にある西原村でも地震による甚大な被害を受けています |
18:46 18時に現地全救護班活動終了
13:20 医師・看護師 福岡空港より帰路につく
14:30 羽田空港到着
21:37 救急車・ドクターカー宿泊地到着
8:34 宿泊地を出発
14:45 病院到着