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診療科・部門

栄養課

栄養課は大きく2つの部門に分けられます。

栄養管理部門:治療の基盤となる栄養状態を良好に保つための調整を行っています。  
給食管理部門:給食委託業者が中心となり、個々の病態に合わせた衛生的で安全な美味しい食事の提供に努めています。

どちらの部門も、患者さんの治療効果を高めるため、患者さんの食事摂取状況を共有し、食事摂取量が低下した場合は、食事の工夫について栄養課内で連携を図り、栄養状態改善に努めています。

 

 業務内容

〇栄養管理部門

1.栄養指導 入院および外来患者さん対象

糖尿病や脂質果常などの生活習慣病で食事療法中の方だけでなくがん治療中で食事が思うように食べられない方など、食生活全般について不安がある方はどなたでもご相談ください。管理栄養士が患者さん個人の食生活に合わせてアドバイス致します。

生活習慣病の方

 

 入院患者さんに対し、入院生活での規則正しい食生活リズムをつけること、適切な食事量やバランスについて、入院食を指導媒体とし、退院後の食生活のイメージアップができるようアドバイスします。

 退院患者さんに対し、検査データを確認しながら食生活内容をチェックし指導を行います。患者さんの理解度は様々なので、外来受診日に合わせ継続で栄養指導を行い、理解度に合わせた食生活の軌道修正を行います。

 

消化管術後の方、化学療法の方

 

 胃癌や大腸癌などの消化管手術をした患者さんには、術後の食生活に不安を感じるだけでなく、手術によって低下した体力を戻したいと思われる方も多くいられます。術後の消化管に負担のない食事について指導するだけでなく、体力回復のためのアドバイスを行います。

 実際に退院してから、メニューによっては食べても大丈夫なのか不安になることもあると思います。退院後の食生活について不安に感じたことなど話を伺い、安心して召し上がれるようアドバイスを行います。また、化学療法による副作用でお困りの患者さんには、症状に応じた食べ方、調理の工夫、食べやすい食品などについてアドバイスを行います。

 

 

嚥下障害のある方

 

 飲み込みの力が低下した患者さんに対し、安全に飲み込める食形態について指導します。できるだけ家族と同じ食事を食べたいという思いに寄り添いながら、メニューのアレンジ方法を提案します。

 また、忙しくて手間がかけられないというご家族には、飲み込みのしやすい宅配食や栄養補助食品の紹介も行います。

 

食欲が低下し、退院後の食事に不安のある方

 

  食欲がなく、何を食べさせたらいいのか不安を感じているご家族もいられます。

  入院中に行った食事調整の状況をお伝えしたり、少量でも高エネルギーが確保できる栄養補助食品の提案なども行います。

 

 ☆栄養指導は食事制限されるイメージを持たれる方も多いと思います。
食べる楽しみを維持しながら、今までの食生活をどのように軌道修正すればよいか、患者さんの思いに寄り添ってアドバイスを行います。

 

 

 
<令和5年度 栄養指導実績>

診療科 件数 主な指導内容
 糖尿病内科  67件  糖尿病
 循環器内科  470件   心臓カテーテル検査、心不全など 
 腎臓内科  304件   慢性腎臓病、透析導入 
 消化器内科  284件   早期胃癌、胆嚢炎、化学療法 
 神経内科  3件   生活習慣病など 
透析科  7件  透析
 外科  755件   消化管術後、化学療法による食欲低下など 
 整形外科  80件   骨粗鬆症、低栄養、サルコペニアなど 
 小児科  63件   体重増加不良、離乳食についての相談など 
 脳神経外科    7件   脳血管疾患、嚥下障害など 
 泌尿器科  18件   透析導入、維持透析患者さんに対する誕生月栄養指導 
 合計  2058件   
 

 

 

2.栄養管理

 入院中の患者さんに対し、管理栄養士が病棟担当制で栄養管理を行います。
   食欲不振の方、栄養状態不良の方、褥瘡のある方、嚥下障害がある方、アレルギーのある方などに対し、患者さん個々に適した食事内容に調整を行います。

<令和5年度 主な栄養管理内容>

食事摂取不良に対する食事調整 367件
病態を考慮した食種の調整 241件
化学療法による食欲低下 26件
周術期栄養管理 84件
嚥下障害に対する食形態調整 80件
食形態調整(咀嚼に問題あり) 10件
褥瘡に対する食事調整 32件
アレルギー食対応 9件
嗜好調整 80件
食器調整(自助具の提案) 12件
ターミナルに対する嗜好調整 41件
緩和ケア食事調整 19件 
経腸栄養剤調整 42件
その他(経静脈栄養調整) 2件

 

 

 

3.チーム医療

NST(栄養サポートチーム)
 入院中の患者さんで、特に栄養障害を有する患者さんや今後栄養障害が見込まれる患者さんに対して、治療のベースである栄養管理を医師、看護師、薬剤師、管理栄養士が共同して、週1回のカンファレンスおよびラウンドを実施し、個々の症状や疾患に応じて、適切な栄養管理方法について検討しています。
   嚥下機能評価に立ち会い、耳鼻咽喉科医師、摂食嚥下障害看護認定看護師と共に嚥下状態を確認し、経口摂取方法について検討しています。

 


糖尿病チーム

   医師、看護師、薬剤師、管理栄養士、事務職がチームとなり、糖尿病教室の企画運営、世界糖尿病デーに合わせ、糖尿病啓発イベントの企画運営、市民公開講座での講演、糖尿病患者カンファレンスを行っています。
   糖尿病週間イベントでは、ポスター掲示や資料展示など、患者さんにとって食生活を見直すきっかけとなるような情報の提供を行っています。

緩和ケアチーム
   緩和ケアチームの一員として週1回のラウンドに参加しています。
   終末期の患者さんの多くに見られる食欲不振に対し、食事が食べられないというストレスを少しでも軽減し笑顔になれるよう、ベッドサイドを訪問し話を伺い、患者さんの希望に沿った食事に調整しています。
 

褥瘡対策チーム
   褥瘡の改善のため、食事摂取状況、検査データをモニタリングし、不足している栄養素の充足を図るため、栄養補助食品の調整等を行っています。
   また、病棟担当制となっているため各病棟の褥瘡ハイリスク患者さんを把握し、褥瘡予防対策としての栄養管理を行っています。
 

心不全チーム
   心不全で入院し再入院リスクがある患者さんに対して、再入院予防を目的に、医師、慢性心不全看護認定看護師、看護師、薬剤師、理学療法士、MSWと共に管理栄養士の多職種が週1回のカンファレンスを行っています。
   栄養状態の評価を行い、経口摂取不良や低栄養状態があれば改善に向けて食事調整を実施し、栄養指導にて本人及び家族に対して食生活改善に向けた教育を行っています。

〇給食管理部門
 全面委託となっています。給食委託業者が中心となり、安全で美味しい食事の提供に努めています。

 

1.入院食の例
▶常食   
   特に制限のない一般的な食事です。     

 

▶全粥食/軟菜食 
   義歯でも噛める硬さ、歯茎でも噛める硬さを基準とし、咀嚼しやすく調理した食事です。

 

▶易消化食 
   上顎でつぶせる硬さを基準とし、消化をしやすく調理した食事です。  

 

▶治療食 
 エネルギーコントロール食、蛋白コントロール食、脂肪制限食、消化管術後食等、各病態に合わせて調理した食事です。
(※写真左はエネルギーコントロール食)

 

▶ソフト食 
 嚥下機能低下を考慮し、学会分類2013のコード2-1レベルで調整した食事です。


▶食形態調整 
   咀嚼状況に合わせ、ミキサー、刻み、粗きざみ、一口大、刻みとろみ、ミキサーとろみなどの形態調整を行います。

 

2.選択メニュー 

常食、常食朝パン食の患者さんを対象に選択メニューを実施しています。

 

3.行事食

月に1~2回程度、季節の行事に合わせた行事食を提供しています。
行事食には季節を感じていただけるよう、行事食カードを添えています。

▶敬老の日(常食)
▶ひなまつり(デザート)

 

認定資格取得者

▶病態栄養学会認定 病態栄養専門管理栄養士 2名
▶病態栄養学会認定 がん病態栄養専門管理栄養士 1名
▶日本糖尿病療養指導士認定機構 糖尿病療養指導士 2名
▶日本循環器学会認定 心不全療養指導士 1名
▶日本終末期ケア協会認定 終末期ケア専門士 1名
▶骨粗鬆症学会認定 骨粗鬆症マネージャー 1名
▶緩和ケア研修修了者 1名
▶栄養サポートチーム担当者研修修了者 4名
▶静脈経腸栄養(TNT-D)管理栄養士 1名

   2024年7月 更新

 

 
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